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2008年6月

アキバ無差別殺傷事件報道に見る鳥越俊太郎らのいい加減さ

今週のテレビ報道は、本人の望みどおり、すっかり加藤某によるアキバ“テロ”事件一色になってしまった。その報道で鼻に付くのが、事件の原因は、派遣社員らの「希望格差社会」だ、という論調だ。
 確かに加藤某は、派遣社員として、日本中を転々とし、彼自身もケータイの掲示板に、「将来への夢も希望もない」「所詮負け組みが勝ち組に勝とうとしたのが間違い」などと、書き込んでいる。それをもってして、ここぞとばかりに、「ほら、日本の格差社会は、こんなモンスターを生み出すまでになっているんだ」と言って、「こうした社会を作ったのは、派遣業の規制緩和だ!」と訴えている。テレビ朝日の朝の番組では、鳥越俊太郎が、「小泉構造改革が、今回の事件を生んだ原因だ!」と勝ち誇ったように言い放っていた。
 確かに、派遣社員の置かれている境遇は、不安定で将来に希望が見えにくいことは間違いないし、大企業・経営者側が有利な雇用状況を改善する必要がある、という主張に異論はない。しかし、今回の加藤某の事件の原因を、構造改革の間違いに結論付けるのは、あまりに短絡的ではないか?というより、小泉改革や新自由主義を批判したいがために、今回の事件を格好の「材料」として利用しているだけのような気がする。
 実際、ここ数日の供述では、加藤某は、地元・青森に戻った際に、運転手として社員採用されていたのを、一方的に自ら退職したことが明らかになっている。つまり、加藤の書き込みを引用して、鳥越ら、大マスコミが好んで解説していた「加藤は正社員になれず、派遣の不安感にさいなまれて凶行に追い詰められた」という論法は、成立しないのだ。
 しかも、青森県の10~20代の求職中の若者のインタビューでは、「給与は低いが、職はあるし、正社員としての求人もある」という声が少なくない。
 また、加藤は車のデザイナーになりたかった、という割には、そういったエンジニアなどの資格を取る努力をした形跡もない。そんな奴は、派遣業法改正以前の、バブル期にだって自動車メーカーが正社員として採用するはずはないに決まっている。あの男は、自らの怠惰を、社会状況にすり替えているだけにすぎない。
 しかも、一部報道によれば、加藤は、スポーツカーを購入し、借金があったとも言う。そんな奴が、偉そうに「勝ち組」「負け組」だの言う資格があるのか。単に、あいつがアホで、未熟な「坊ちゃん」というだけに過ぎないのだ。
 そういう事件の詳細を調べずして、鳥越ら大マスコミは、構造改革疲れしている大衆に耳ざわりが良い結論に導くため、今回の事件を、自らの都合よく解釈して、垂れ流してるだけではないのか?「格差社会が悪い」と、お高くとまった奇麗事を唱えることで、凶悪犯罪を引き起こした一人の「バカ」の責任を、希薄化する結果になっていると思わないのだろうか。

 鳥越俊太郎は週刊誌出身のせいか、大衆受けする結論ありきで、事件や事象を伝えているのが、以前から気になっていた。愚民のアジテーターと化した古舘伊知郎ほどではないにしろ、「受ける」結論に導くため、事件そのものを冷静に見つめる「客観」を、最初っから放棄しているのではないか?そんな「大衆迎合報道」をやることが、来年から実施されるであろう裁判員制度を、誤った方向に導いてしまうのではと、危惧するのは、杞憂であろうか?大マスコミは、すこし事件に距離をおき、冷静に伝える、「オトナの報道」はできないのであろうか?

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古舘伊知郎の舌禍で、またテレビ朝日窮地に

 わいせつ記者、キャスターの自殺に続いて、またもやテレビ朝日、災難である。こう立て続けに問題が起きるというのも異常としか思えず、テレビ朝日、社内の神社でも取り壊したのではないか?という噂まで流れている。
 今回の自民党の取材拒否の直接的な原因は、自民党役員会前のマスコミ用の撮影会である、いわゆる「頭撮り」の映像を見せ、そこへ古舘イチローが、「よくわらっていられますね」と発言したことだが、その発言自体には、大した意味はないと思われる。な最近のテレビ朝日と自民党の関係は最悪で、そんな最中に無分別な言動をしたことが、トドメになったと考えるべきか。今のイラクに「タリバンはテロリスト」とプラカードを掲げてノー天気な大学生が行進したようなものか。
 今年、テレ朝が放送で謝罪した件だけでも、昼の番組で、菅直人が「顔を見るからに道路利権だけは放さないという決意が表れている」などと発言し問題化。朝の番組に谷垣政調会長が生出演した日に、谷垣が去った後になってコメンテーターが「利権を守っているとしか思えない」などと発言し、谷垣が「欠席裁判で名誉を傷つけられた」と激怒。後日謝罪するなどの出来事が起きている。しかも、後期高齢者医療制度に関しては、発足直後から「報道ステーション」はテンション高くキャンキャンほえているので、何かにつけて厚生労働省はテレビ朝日にクレームをつけているらしいし、自民党も安倍が幹事長時代に発足させたらしい「クレーム部隊」が、バッチリテレ朝の番組を録画して、逐一書き起こしてチェックしているらしい。その上、自民党の“下駄の雪”と化している公明党は、太田代表自ら、「報道ステーション」を毎晩のようにチェックし、記者に文句をたれているらしい。公明党も、そんなヒマがあるんなら、もう少し創価学会受けするように自民党に修正を迫る代案を考えろよ、という気もするが。
 テレビ朝日は最大派閥・町村派を事実上牛耳っている中川秀直を「サンデープロジェクト」に生出演させたりして、自民党にゴマをすり、何とか矛を収めてもらうよう、仲介を頼んでいるのかもしれないが、中川秀直が官房長官時代、例の「愛人電話」スキャンダルでテレビ朝日が電話の録音テープを放送した件で、秀直本人ともめたはずで、そうそう仲介の労をとってくれるとは思えない。
 まぁ、テレビ朝日も、この機会に古舘イチローにご降板頂いた方がいいのではないか。弱い犬ほどキャンキャン吠えるというが、古館氏を見ていると、正にそれを感じる。あんな力みまくった鬱陶しい大根役者はとっとと切り捨てて、もっと肩の力が抜けた人物にニュースを任せたほうが、“オトナ”の視聴者は見易いと思うのだが。

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